『人間関係シリーズ』第2回
断れない心の奥にあるものとは。
たとえば他人を傷つけるということが、すごくイヤと思う人。人が善くて、他人を傷つけるようなことをするのはいけないことだと教育を受けて、それをそのまま信じているような思いやりがある場合であれば、それは問題がない。自分がそういう選択をして、しかもそれは自分が広い心でいるんだわという、まあ変な言い方だけれど、ある種の自信に満ちた気持ちの延長線上だから。
でも、多くはそうじゃなくて、逆にまったく自信がなくて、ここでイヤだと言ったら二度と誘われないのではないかとか、他人に不快な思いを味合わせてしまうと自分に仕返しがくるのでは、と恐れてしまう。言ってみれば自分の弱さの表れとして断りきれないという場合は問題になります。
なぜかと言えば、そういう形で自分をふりまわしてくる他人は、自分のことをほとんどこれっぽっちも考えていないということが多いから。そうすると自分は単にふりまわされるだけで、しかも一生懸命自分が相手に不快な思いをさせたくないと思っているという、せっかくの配慮も向こうにはまったく届いていないわけだから、ただふりまわされているだけで、なんの実りもない人間関係ということになります。もし自分がそうだと思ったら、むしろ相手をチェックする意味でも、積極的に断る。断って二度と来なかったらそれぐらいの関係だということだし、断っても次に来れば、逆に言えばそれは自分に対する評価になるのではないでしょうか。
一回や二回断っても、ちゃんと向こうは誘ってくれる、大丈夫なんだということになれば、自信回復にもなるので、是非断ることを学んでほしいですね。
院長 高橋龍太郎著書 『人生にはいらない人間関係がいっぱいある』より抜粋
高橋院長のひと言
飲み会に誘われたら、たとえ人数合わせと分かっていても、前向きにとらえて、特に理由がないときは参加してみては。残り物に福がある、はクジ。はぐれものに福がある、のは飲み会。とにかくメインじゃないところにチャンスがあるのは、人生の鉄則ですよ。
タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎