いわゆる発達障害とかADHDとか呼ばれる、昔にはあまりいなかったようなタイプ、物事を複数でやれない、同時進行でできない、相手の指示をうまく呑み込めないとか、物忘れしやすいとか、そういうものが話題になっていて、本人も「自分はADHDじゃないですか」「発達障害じゃないですか」と精神科に来る人が増えています。もしくは会社に言われてきましたって人も多いんです。
指示を忘れてしまうとか、コミュニケーションがうまくとれないとかイマジネーションが足りないとか・・・・・・要するに人間のコミュニケーションに断絶があるようにお互い思っていて、自覚もあるケース。
現実に診断される人は数少ないのだけれど、その少ない数でも昔に比べれば、病気として診断される人は5倍10倍と言われています。
その背景に、たとえば環境汚染、環境ホルモンの問題だとか、食生活の影響だとか、晩婚化に伴う高齢出産などいろんな問題があると言われています。
それでも、そういう脳に小さな異変があるような子どもたちといえど、子ども時代の遊びの中で修正する、発達しなおす時間というのが昔はじゅうぶんあったんですね。
特にお山の大将がいて、学年を越えて集団で遊ぶっていうのは、そういう症状に対するいいリカバリーに本来はなっていたんだけれども、ガキ大将中心に遊ぶってことは最近見たことがないですね。みんなおけいこごとやお受験だったりで。これだと疑似的な社会組織が学べないんです。だから、子どもが子ども同士のネットワークをうまくつくれないということがある。
遊ぶといってもみんな並んで下を向いてお互い違うゲームをやって会話がないという遊び方をしたりする。でも、お互い向き合って体を使う遊びじゃないとダメなんです。
こういう環境で育ってきてしまっているから、病気とは言えない場合も脳が鍛えられていない。だから、発達の異常がそのまま大人になるまで持ちこされてしまったりする。そういう意味でも、いっぱいいっぱいになりがちな人が増えているとも言えるんです。
院長 高橋龍太郎著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より抜粋
高橋院長のひと言
発達障害は最近増えている印象です。自分でかかえこむことなしに、早めに専門家にかかりましょう。
タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎