「バカヤロー」「酒が飲みたーい!」思いきり叫んでみる
「筋肉弛緩法」というのがあります。これは筋肉をこわばらせたあと弛緩する方法でいろいろな手順があるのですが、今すぐ飲みたいアルコール依存症の患者さんには秒速勝負ですから、一気にできる方法じゃないと間に合いません。そんなとき急いでやるものとして、次のようなものがあります。
たとえば、肩にギュッと力を入れ、腕を天に向かって高く掲げて、そのあと一気に脱力します。
こうして緊張と弛緩の両方を体に経験させ、シャキーンとした後でゆるむ、という感覚を味わってみてください。副交感神経の働きを高められます。
アルコール依存症の人が飲みたくなった時の簡便な対策で、一種の逆療法です。
具体的に言うと、「酒が飲みた〜い!」と大声で叫ぶ。遠慮なく大声が出せるよう、河原などで叫ぶといいでしょう。3回ほど叫ぶと、気持ちがすっきりとするとともに、こわばっていた筋肉がふっとゆるみます。すると、「酒が飲みた〜い!だけど俺は酒なんか飲まないぞ〜!」と思えるようになっていくのです。
頭の中にあるイライラの素も、声に出して吐き出してしまいましょう。
「課長の馬鹿野郎〜!」
「会社なんかつぶれてしまえ〜!」
思いきりネガティブなことを叫んでいいのです。我慢は無用。ただし、自宅や会社などでは人目もあるので、たとえば車の中で、運転しながら叫ぶといいですね。
叫び続けているうちに、
「俺、なんでこんなに必死になっているのだろう」
「ま、いいか。なんとなく気持ちがすっきりしたし、明日もまた会社に行ってやろう」
と、現実を受け入れて、対応できるようになっている自分に気づくはずです。
高橋院長著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より、筋肉弛緩法のアドバイスをお送り致します。