院長ブログ

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2022.09.15更新

料理という知的作業で、同時進行力が高まります

 

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「複数のことを同時進行する」という点では、料理もいいレッスンになります。

料理はとても脳をダイナミックに使う行為で、高度に知的でクリエイティブな作業です。うつ病や認知症の人は、脳内の許容量が極端に減少していることが多いため、料理ができなくなります。

実際にやってみるとわかりますが、朝昼晩の献立を考えるだけでも大変な作業です。

まずは、米やパンなどの主食、おかずとなる肉、魚、野菜、調味料、飲み物など、ありとあらゆる食材の組み合わせ。

ですから、冷蔵庫の中に何と何があるか記憶しておき、新たに買うべきものは買い足し、ストックを切らさないようにするなど、つねに気を配っていないとなりません。

調理の段取りも、なかなかむずかしいものです。材料を用意し、洗うべきものは洗い、刻む、煮る、焼く蒸すといった調理に要する時間を測りつつ、すべての料理がほぼ同時に仕上がるように取り計らい、食事の時間に間に合わせるようでなければなりません。

食器や盛りつけにもひと工夫したいところ。

大変な作業ではありますが、「複数のことを同時に進行する」頭をつくっていくうえで、これはとても効果的なレッスンです。

また、料理を完成していくプロセスにおいて、私たちは無意識のうちにも頭の中に「やること一覧表」を作成しています。

そして、瞬時に優先順位雨を割り出し、考えると同時に手が動いています。

これは段取り名人になる上で最適なレッスンです。やらなきゃ損!です。

 

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高橋院長著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より、段取り名人になる!アドバイスをお送り致します。

 

タカハシクリニック  院長 高橋龍太郎

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.09.01更新

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いつもいつも「忙しい忙しい」と言って、何かに追いたてられている人がいます。こういう人は、ヒマだと罪悪感を感じてしまうんですね。ある意味、マジメというか。

自分を追い詰めてしまう人は、ある種の「べき」論から入ってしまうわけ。

「べき」論というのは、「こうあるべきだ、こうじゃないといけない」というある種の定規を持っていて、自分の本来の一日の感じとか、自分の能力、自分の持っている自分らしさとは全然関係なく、周りから与えられたような物差し・錆型に自分を当てはめようとする。

そういうタイプの人は、何をやってもいつも、まだまだ足りないんじゃないかなと思ってみたり、満足感がなかなか得にくい。本来であれば一日の中でいちばん調子の良い時でも、自分でわざと不快なもの、不快な物差しをぶつけて、持ちあがっている感情をゼロに落としてしまう。そうすると、気持ちの良いのはゼロに落として、気持ちの悪いのはそのままだから、全然救いがない。だから、全然楽しくない。負の中和法ですね。

多くの日本人は、このタイプなんです。言ってみれば農耕民族型。正確に時を刻んで季節に合わせて、周りに自分を合わせていくというような。

例えば野球は農村型でしょう。守備をしっかりして、最小得点でも勝つのがいいと思ってきた。要するに投手がよくて守備をしっかりすれば、いずれ勝てるというゲームです。

でも現実の世の中は、みんなサッカー型。守備だと思っていたら、いきなりディフェンスのいちばん後ろの人がいちばん前に行ってシュートをボーンと入れる、ということがあるわけです。だから、周りの変化に合わせて自分の気持ちをうまくコントロールして、状況に合わせて得点を重ねていけるような人のほうが、気持ちの良い時代になってしまったんですね。

昔はそういう人は定職にもつかず、「あの人何やってるの?」という感じに言われたりした。よしんば就職しても、こらえ性がなかったり、何を考えているか分からないと言われたり。農耕民族から見ると「得体の知れない人」と思われていたけれど、世界で生きている人は、むしろみんなサッカーのような狩猟型人間たちです。言葉をしゃべらなくてもみんな互いに考えていることが理解できるような世界になってきている。

毎日自分を少しでも楽しくさせて生きていくということが、基本的には必要。それには、外に向かうアンテナも必要だし、自分の内側、体と心に向かってアンテナを張り続けるということもものすごく重要。自分の体と心が気持ちいいと感じるものにいつも敏感であること。これが自分の内側に張ったアンテナの受けとるものであることも忘れないように。外と内、自分のアンテナを意識し続けるということが、すごく大事ですね。

 

院長 高橋龍太郎著書 『人生にはしなくてもいいことがいっぱいある』より抜粋

 

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高橋院長のひと言

「べき」論で困って、いつも同じ役割を担ってコツコツ続けることに喜びを見い出せる人は、これまではよかったかもしれませんが、これからのインターネット時代は、情報が即時に世界中に伝わる世界。

仕事も毎日の楽しさも、世界の人と共有できる喜びこそ、若い人達にめざしてほしいものです。

 

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タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎 

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.08.18更新

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今つまらないと言っている人でも、楽しくするのはそんなに難しいことじゃないんです。

それは、結論に近づいちゃうけれど、いろんなことを制限すればいい。制限していく中で、自分が手放していいもの、手放したくないものを、見極めて、手放してもいいいろんなものを自分の周りから切っていく。

究極の選択ゲーム、ってあったでしょう。あれと同じことをやればいいんです。ここに五千円あったときに、TVゲームを買うか、彼と映画に行くか、違うものだけど、どちらか選ぶでしょ。それと同じようにどんどん選んでいって、切っていけばいいのです。

究極の選択みたいに「これとこれ、どちら」みたいにして、ドーッと切っていく。そうすると残ります、最後に何か。そしたらそれに徹底してこだわる、ということが楽しさへのいちばんの近道です。

楽しく生きるということは、楽しいことを自分の周りにたくさん集めるということではないんです。むしろ次々に捨てて捨てて、最後に残るものを見つけること。人生にはそれこそいらないものがいっぱいあるんです。その中で窒息状態なのが、生きているのがつまらないという人の実体なのではないでしょうか。

人といないと不安でしょうがない人っていますよね。誰かそばにいないと淋しくてしょうがない。誰かいてくれれば、誰でもいいって感じてしまう人。同じように、いつも何かやっていないと気がすまない人。旅行に行っても、あちこち分刻みで動き回る人。楽しいことがいっぱいないと不安になってしまう人は、身のまわりに物をあふれかえさせたい人と同じで、結局、捨てることができない人なのです。

 

 

院長 高橋龍太郎著書 『人生にはしなくてもいいことがいっぱいある』より抜粋

 

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高橋院長のひと言

情報と物があふれかえる現代では、本当の楽しさや喜びが見い出せないもの。

思春期のようなどんどん成長していく時期には、あふれかえる情報もさほど苦労なくコントロールすることもできますが、25才を過ぎて、脳の力も成長を止める時期に、一番大事なことは情報と物を整理して、そのなかで深掘りすることです。

本当の楽しさと喜びはきっとそのなかに見つかりますよ。

 

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タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎 

 

 

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.07.29更新

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「話し下手」は人、自分が上手くしゃべることができないと悩む人は、ありきたりですが、「聞き上手」になるのが問題解決の秘訣です。

ただ間違えないでほしいのは、「聞き上手」というのは、ただうなずいてニコニコ聞いている、というのではないということ。「相手が言っていることのポイントを間違わないで受け取れる人」が本物の聞き上手です。

例えば、「質問はありますか」というときに、問題が分かっていて「向こうが質問されたいだろうな」というようなところを質問してくるような人。

話というのは、相手の「言葉」だけではなくて、言葉を発しているときの「体のメッセージ」というのがすごく大きいわけ。言葉を受け止めるのと同じように、体が送っているメッセージを受け止めて、「ああ、ここがポイントなんだな」ということが分かるということが、「聞き上手」ということです。

「体のメッセージ」というのは、いわゆるボディランゲージ。しゃべっているときは、自然と体が動きますよね。顔の輝き、表情、手の表情、強さ、声の大きさ・・・そんな強弱のターン、いろんなバランスの中で、「あ、これは強く言いたいんだな」と、うまく感じ取るということ。それが「聞き上手」ですよね。

話を聞いている時に、話をしている人の一番言いたいことを読む、ということから始めてみればいい。そうすると、その人がどのように強調したか、どのように話を展開したか、ということは当然耳に入っているわけだから、話し上手になろうとしたら、その人のコピーをすればいいわけ。

日本人は「雄弁は銀、沈黙は金」で育っている人が多いんです。何も質問しない人がむしろ優等生で、黙っているほうがカッコいいと思っている。質問をしている人はバカだから質問しているんだ、というような雰囲気があるでしょう。よく話すというのは、分かって黙っている人にくらべると下のレベルだ、というふうに育ってきているようなところがある。だけど、外国人は、質問しないと「お前ら、ホントにまじめに聞いていたのか」と怒る。

例えば、スポーツ選手でも、外国人はちょっとひとこと言うのでも、こじゃれているし、雄弁でしょ。スターが子どもを連れてきて、記者会見で、坊やに何か質問があった時に、坊やが一言「イエス」とか「ノー」とかしか答えないと、親はその場で怒ります。人が聞いているのに「イエス」「ノー」しか答えられないのは失礼にあたるから、ちゃんと理由を言いなさい、とその場で注意する。

人とのコミュニケーションというのは、そういうことなんです。人に自分を分かってもらおうと思ったら、何か少しでも言葉を足していかないといけない。けれど、残念ながら日本人はそういう精神を育てていないので、そもそもそんなにたくさん「話し上手」はいないんです。だから「話す」のはしゃべりの能力を持っている人にまかせておいて、自分は「聞く」に徹する。人前でしゃべるのはむしろヘタでいい、というくらいに思っていて充分です。苦手なものを克服しようとしても、心に負担をかけるだけですからね。

それでも、この日本の沈黙社会では充分評価されるのですから、なんの心配もありません。それに聞き上手に徹していくうちに、少しずつ話し上手に変わっていくのは、時間さえたてば誰にでも起こること。それがコミュニケーション(相互交流)の不思議なところです。

 

院長 高橋龍太郎著書 『人生にはしなくてもいいことがいっぱいある』より抜粋

 

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高橋院長のひと言

発達障害の人が、コミュニケーション能力に問題があると言われているというのは、このうまく聞くということができないことから言われることが多いのです。

人が喋っていると、その途中で思いついたことを突然口に出してしまうのですね。その人のために、全体の話の流れが中断してしまうのですから、周りの人からは「コミュ障」と言われるのもやむを得ないかもしれないですね。

でも、外国人からしたら、喋っている演者に全く質問しない日本人も、逆の意味で「コミュ障」かもしれません。

 

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 タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎 

 

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.07.16更新

ひとつの作業だけを、最後までやりきる

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目の前に仕事が山積みで、「何から手をつければいいかわからない!」というとき。

「とりあえず、会議に必要な書類をコピーしよう」

「まずは電話連絡を済ませてしまおう」

というように、最もやりやすいことから片付けていくというのは順当な手段です。

 

しかし、電話の最中に上司に呼ばれたり、別の案件で相談が持ち込まれたりして、思うにまかせないこともあるでしょう。

こうして数珠つなぎのように仕事が増えていくのは、よくあることです。

そんなときは、とにかく一つの作業をやりぬいて、完成するようにしてください。たとえば、書類のコピーとりをするなら最後までコピーをとる、途中で上司に呼ばれても、戻ったらすぐまたコピー取りの作業を再開する、というように。

一つの作業が完成するまでやりきらないと、事態はとっ散らかるいっぽうです。中途半端なまま、次々と新しい作業に手を出していくから混乱が増大し、ミスも生じやすくなるのです。

 

これはいわゆる「片付けられない症候群」の症状とよく似た状態に陥っています。

部屋の片付けや掃除ができないために、ゴミ屋敷のようになってしまっている人、片付けるにしても、どこからどう手をつけていいかわからないと、思考能力が働かなくなってしまっている人、手をこまねいている人が現実にいっぱいいるのです。

そうした場合、「まずはこの一角から整理してみましょうか」「大きなゴミから捨てていきましょうか」というように、その人自身が一番やりやすそうなところから手をつけるように促したりします。すると、散らかり放題だった部屋の中にも、ある一定の秩序だった構図が見えてきます。

こうして、全体の見通しをつけることにより、部屋全体を整理整頓することができるようになってきます。

 

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高橋院長著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より初志貫徹のアドバイスをお送り致します。

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.05.31更新

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人脈作りというと「異業種交流会」で名刺をばらまくというイメージがあるけれど、それだとどうだろう、そんな功利が先に立つようなやり方をすると、そんなに思ったほどは広がらないのではないでしょうか。

もちろん専門知識を持った人を知り合いに持っていれば、それはそれで得はすると思います。弁護士に相談すれば二、三万の話を、友人であれば、たった一〇分、一五分で色々丁寧に教えてくれるでしょう。そういう意味で友人がいれば、それはそれで財産としては生きてくる。

でも若い人たちには、そんなじじくさい人脈作りを心がける必要はない。若い人たちには別のやり方をすすめます。

日本人にはそういう習慣は少ないけれど、外国だと「部屋をシェアする」ということを、男でも女でも異性同士でも、みんな平気でするんですね。これはものすごく素晴らしくて、突然人脈が倍になります。日本人にはあまりない文化だけれど、それが日本の中でできたら、簡単に人脈がつくれる、増えると思います。そういう習慣はどんどんつけていくといい。東京なんか部屋代高いわけだし、狭い部屋に一人でポツンといるより、倍の広さで部屋をシェアしたほうがいいじゃない。

お金の問題一つ取り上げても、東京で自分の部屋を借りて、ほとんど外食で、なんて、こんなバカバカしいことはない。それなら二人でシェアして、交代で食事を作って、とやったら、お金なんか半分とは言わないけれど、三分の二以下ですよ。

それで人脈が増える。そういう習慣をみんなに身につけてもらいたいですね。

日本人が、部屋をシェアしないのは、そういう付き合いが苦手なんでしょうね。逆に言うと、さっき言ったように、「イヤなときに断る」と言うことができないから、「振り回されるのではないか」と思ってしまうわけ。

向こうは、いくら部屋をシェアしていても、「今日は私は話したくないから、ほおっておいて」と言えばちょっかい出さないし。日本人は、相手が何かしたら必ず合わせないといけない、と気を使って、それで自分自身がつぶれちゃうんですね。

それがお互いに言える人だったら、いいと思う。お互いに気を使うけど、自分の主張を、相手を傷つけないで言える関係を維持するというのが、すごく大事。

人脈づくりも同じで、そういうふうに「イヤなときはダメ」で断れて、でも「やってあげられるときはやってあげる」という良い関係をつくらないと、長続きしないです。

 

院長 高橋龍太郎著書『人生にはしなくてもいいことがいっぱいある』より抜粋

 

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高橋院長のひと言

20年以上も前に、この文章を書きましたが、今でもリアリティを失わないどころか、ますますシェアルーム化がすすんでいることに驚かされます。

若い人たちの人脈つくりはシェアルームから。

この蒲田には、日本最大のシェアルームマンションがあると聞きます。すると蒲田は、日本最大の情報発信地になるのかな。

 

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タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎 

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.04.20更新

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LINEやSNS中毒に限らず、現代社会にはさまざまな「依存症」でいっぱいいっぱいの人もいます。

買い物依存症、恋愛依存症、セックス依存症、ギャンブル依存症、薬物依存症、アルコール依存症、タバコ依存症、ネット依存症、と数限りなく症例はあるのです。

依存症というものには、大きく分けて「物質」「行為」「関係」の3種類あります。

薬物、アルコール、タバコの場合は、物質的依存症。

ギャンブル、インターネット、セックス、買い物の場合は、行為的依存症。

共依存、恋愛の場合は、関係的依存症。

 

タバコはアルコールより抜けるのがむずかしいと言われています。直接的な害があまりはっきりしないし、タバコによって得られる覚醒はほんの少しのものなので、あまり罪悪感がないからです。でも、脳が喫煙の快感を覚えてしまうと、なかなかこの気持ちよさを手放そうとしません。何度も禁煙にチャレンジしては挫折するということを繰り返している人が多いのは、そのためです。

 ただ、喫煙は体の細胞にダメージを与え、ガンなどの病気のリスクを高めますが、脳に与えるダメージは少ないのです。

 

いっぽう、アルコールは脳細胞や神経系を破壊し、脳の萎縮をもたらします。

適度な飲酒ならば、さして問題はないのですが、次第に摂取量が増えていくと、脳も体も著しく健康を害します。

そもそも、なぜアルコール依存症になるかといえば、アルコール摂取により脳の側坐核からドーパミンが噴き出すという神経回路が出来上がってしまうからです。

アルコール依存症というのは、酒そのものよりもむしろ、脳のドーパミンに翻弄されているような状態です。

繰り返しアルコールを飲んでいると、そのうちアルコールを飲むことで他の人には感じられないような刺激が出てきて、「飲むとドーパミンが噴き出す。飲まないとドーパミンが出ないので、アルコールを渇望する」という脳になってしまうのです。

いくら酒好きの人でも四六時中飲んでいるわけにはいきません。体がまいってしまいますし、社会生活のも支障をきたしますしね。

でも飲まずにいると、「飲みたいなあ」と欲求がどんどん高まります。そこで酒を口にすると、一気に飢餓感が満たされ、爆発的な喜びがもたらされます。この神経回路ができあがってしまうと、ほんの少量の酒を飲んだだけでドーパミンが噴出します。

 

それは酒に酔って気持ちいいというレベルとはまったくべつものの、体がうち震えるような快感でものすごく心地よいのです。これが完全な中毒症状です。そういう状態にまでなってしまったときは、すでに肝機能など大切な機能が低下して、体は相当傷めつけられています。

にもかかわらず、体がうち震えるほどの気持ちよさを味わってしまった脳は、どれほど体に悪くても飲みたがります。そして、我を忘れて飲み続けてしまう。つまり、脳が体を裏切っているわけ。

人間の脳はそういう複雑怪奇な仕組みになっているんですよね。

本来、ここまでの渇望は普通に生きている分には必要ないはずです。それでも脳を喜ばせるために、どんどん人間の文明は進化したとも言える。脳とはそのくらいきゃ代な存在で、その陶酔感を求めて、「もっともっと」と人間の文明はここまできたのだとも言えますけれどね。 

 

院長 高橋龍太郎著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より抜粋

 

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高橋院長のひと言

ゲームの依存症も、側坐核からドーパミンが噴き出すという構造は同じです。

結局、人間の文明は、脳を喜ばせることで発達してきたともいえるのですが、このままではどこまでも「とことん」進んでしまい、ひとりひとりの人間もそして文明全体も滅んでしまう危険があります。例えば、戦争がそれです。

もうそろそろ「とことん」ではなく「ほどほど」の喜びに本当の楽しみを見い出す転回点がきているように思います。

文明全体のブレーキまでは、もう少し時間がかかるかもしれませんが、ひとりひとり人間として私たちは「ほどほど」の喜びに回帰する時期なのではと考えます。

そして依存症の治療もまさにこの「ほどほど」に自分をおくことが最終目標なのです。

 

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タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.04.15更新

パソコンを使う人ほどランチタイムに10〜15分の昼寝を

 

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 年齢を重ねるにつれ、もっと眠っていたいのに眠れない、目が覚めてしまうということが起こるようになります。

 それは、老化現象のひとつで、脳がきちんと睡眠リズムを刻むことができなくなるからなんですよね。

 けれども、心配には及びません。年をとれば誰でもそうなるものですし、体が必要としているだけの睡眠はきちんととれているはずです。年をとると日中の活動量が減り、睡眠をそれほど必要としなくなるからです。また、夜の睡眠時間が短くても、昼寝で補っていることが多いのです。

 

 若い人たちも、「最近、睡眠不足だな」と感じるときには、ランチタイムに10〜15分、昼寝をするといいですね。頭がすっきりして、午後の仕事が捗ります。

 特にパソコンなどIT機器を使って仕事をしている人は、画面のブルーライトが脳の覚醒系に作用し、脳が過剰に興奮しているため、睡眠の質が悪くなっていると思われますので、仕事の合間をみて、オフィスで昼寝するといいですね。

 眠らなくても、目を閉じてじっとしているだけで、だいぶ休まります。心に余裕が生まれ、限られた時間の中でも、多くのことをこなせるようになるはずです。

 

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高橋院長著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より、昼寝タイムのアドバイスをお送り致します。

 

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.03.31更新

遺伝子に刻まれた生体リズムを感じてみよう

 

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「早寝早起き」や規則正しい生活」の大事さはよく言われることですが、わかっちゃいるけどなかなかね・・・・というのが、たいていの人の本音では・・・・。

 夜更かしをし、朝は出勤時刻ギリギリまで寝ていて、朝食もとらずにあたふたと出勤するよりも、1時間早く起き、ゆったりとバランスのよい朝食、そして新聞を読んでから出勤すれば、脳にも栄養が行き渡り、駅まで歩く間に、脳はみるみる活性化します。

 通勤ラッシュの時間帯を回避するために、思いきって早めに家を出るのもよいでしょう。1日の始まりからドタバタすることを避け、会社に着いてからゆっくりと新聞を読む、というのもいいと思います。

 

「早寝早起き」がいかに大切なことか、もう少し説明を加えましょう。

 深夜12時〜2時は、体の中で成長ホルモンの分泌が最もさかんになるゴールデンタイム。このとき、日中の仕事や活動によって傷ついた遺伝子や細胞の修復が行われます。また、体に溜まった疲労物質(乳酸)が分解され、疲労が回復するのです。

 疲れが溜まっているなとか、どうも不調なので修復が必要だなと感じるときこそ、早寝早起きを意識してみてください。

 

夜型の生活は体への負担が大きく、同じ仕事をしても夜は昼間の2倍疲れる、と言われています。「日中に活動し、夜は休む」というのが、私たち人間の遺伝子に刻まれた本来の生体リズムなのでしょう。

 

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高橋院長著書『仕事も人間関係も「いっぱいいっぱい」にならない方法』より、生体リズムのアドバイスをお送り致します。 

 

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

2022.03.12更新

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お金があれば、モノがあれば楽しいわけじゃない、というのは分かっている。でも、いったい何がほんとうに自分を幸せにしてくれるのか、それが分からない。そう思うかもしれませせん。でも、楽しくするにはささいなことで充分なんです。

小さなことに喜べる力というのは誰にでもあるのに、なかなか気づかなかったりします。そういうのに気づくようになる第一歩というのは、ひとり遊びができるかどうか。こればっかりは習慣というしかないところがあります。

子供の頃、男の子は野原に出て行って、トンボやバッタを捕まえて、飽きることがない。自然と会話することで、楽しんでいる。女の子は、たいてい人形でひとり遊びをするでしょう。お人形さんで自分の家族を対象化して、いろんなお話を作ったりする。そういうお話を作る能力は大人になるにつれ、いつのまにか「子どもの能力」としておとしめられてしまうんですね。

「そんな空想のお話なんて現実の役に立たないから、捨ててしまいなさい。そうじゃないと大人じゃないわよ」と言われているうちに、みんなそういう「ひとり遊び力」を失っていってしまうわけ。

でも、小さなことにも喜びを見出せる人というのはそういう能力を失わない。失わないまま、非現実的なのも、本とか映画とか、アートとか音楽とか、そういうものを自分の中で手元に置いておけるように変わっていくわけ。

ひとり遊びができて、退屈しない能力というのは、小さい頃のお人形遊びや、トンボ取りなどで鍛えられるとすると、だから子どもの頃に、そういう能力を鍛えれば鍛えるほど、その人の潜在的な力になる。

子どもは、一人遊びをすることで脳の細胞がネットワークを爆発的に広げているのですが、一方で、現実は脳の発達に追いついていかないとも言えます。そのため、その差が潜在的な能力として大人になっていくわけで、大人になって、それをうまく引き摺り出してやるというのが、人生を楽しくする大いなる秘訣なのではないでしょうか。

 

院長 高橋龍太郎著書『人生にはしなくてもいいことがいっぱいある』より抜粋

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高橋院長のひと言

一人遊びというと現代では、ゲームやネットのYouTube、SNSを上げる人が多いでしょう。それも「ほどほど」なら十分一人遊びになります。ただし、現代の一人遊びでは、かなり受身で過剰に脳を刺激するものが多いので「とことん」のめりこむと、依存症になってしまうおそれがあります。そこは充分注意しましょう。

私としては、ディスプレーの小さい画面に熱中する一人遊びよりも、物をつかったり、自然のなかで楽しめるような一人遊びをよりおすすめしたい気持ちです。

 

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タカハシクリニック 院長 高橋龍太郎

投稿者: 医療法人社団こころの会 タカハシクリニック

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