こんにちは。
趙です。
先日テレビ番組で五月病をとりあげているのを偶然みました。
その内容として、
・五月病という名前の歴史は古くからあり、
現在の医学用語では、適応障害や軽度うつ病などが当てはまることが多い。
・4月は環境が変化しやすく、そこへの適応の段階でストレスを高めてしまうと、体調不良や感情・気力の不安定さがでてくる。
・ここ10年間にて、メンタルクリニックに受診される患者数も増加し数倍になっている。
といったものでした。
日々診療している中、実際そのように感じています。
4月に限らず、人は変化があるとそれに適応させようとそれまで以上のエネルギーを使います。自覚があるときや自覚がなくされることもあるでしょう。
適応が順調にいけば良いですが、時にはそうでなく、困難に感じることもあるでしょう。
困難さを感じ、また頑張ってやってみる中、上手くいきだす時もあるでしょうが、
あまり頑張りすぎてしまうと、脳の神経内伝達物質の働きのバランスが崩れてきます。
そして、体調不良、睡眠障害や不安緊張、抑うつ状態等を呈してくることもあります。
新しい環境がその人自身に合わぬ要素が大きい時には、幾ら一人で頑張ってみても空回りしてしまうでしょう。
テレビで他の精神科医師も話していましたが、出来得るならば、一人で抱えず、周囲に自分自身の辛さをこぼしてみて下さい。その上で、精神科受診も考えてください。
話せる人が身近にいない方は、そういう方こそ、どうぞ精神科受診されてみて下さい。
精神科受診すれば問題が解決するというわけではありませんが、一人でなく一緒に考えられますし、医学的観点からのサポートもしていけます。
1人で煮詰まることはしないで欲しいです。
強いストレス下で調子の不良をきたした場合には、受診し、お話しをする中、休養する時間をつくってみたり、安定剤などの薬物療法を取り入れてみたり、心理士によるカウンセリングをしてみたり、等々で対応することで状態の改善に持っていくことができることもあります。
また、長年自分の性格、と思って困っていることが、実は障害のためであり、
その障害は治療できることもあります。
(社会不安障害、強迫性障害、双極性感情障害など)
そうして生きやすくなった方も大勢います。
前述したように、10年前と比し、精神科に受診される方々は増加していますが、
未だ、敷居を高く感じたり、抵抗感を強く感じたり、不安が高くて、などで受診につながらず、辛い日々を過ごしている方も多いと思います。
精神科受診を一つの選択肢として、是非考慮してみて下さい。
一緒に考えていき、より良い生活にしていく手助けができれば嬉しいです。