「発達障害」は、複数の障害を一つのカテゴリーにまとめた総称です。
主な障害として以下の種類があります。
① ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、広汎性発達障害)
ASDは、人との関わりやコミュニケーションに困難が表れている障害です。
興味や関心が狭い範囲に偏りやすく、独特な行動をとったり、こだわりが強い傾向にあります。
感覚が人よりも敏感なことも見受けられます。
ASDの特徴
・グループでの業務や共同作業を行うことが難しい。
・コミュニケーションがうまくかみ合わないため、会話のキャッチボールが苦手。
・伝えたいことを言葉にまとめることが苦手で、雰囲気を壊す発言をしてしまうことがある。
・相手の立場に立って考えることが苦手。
・自分なりのやり方やルールにこだわる傾向にある。
・最後まで物事をやりとげることが困難。
・音や照明などに過剰に敏感であったり、逆に鈍かったりする。
② ADHD(注意欠如多動障害)
ADHDは、ケアレスミスが多かったり、じっとしていられないなど、
「不注意、多動、衝動性」といった症状や特徴が表れている障害です。
ADHDの方は、幼少期から失敗経験が多く、自分に自信が持てず、否定的にとらえてしまう方もいます。
「不安」「うつ」などの二次障害を発症される方も少なくありません。
ADHDの特徴
・忘れ物や物をなくすことが多い。
・約束や時間をも守ることが苦手。
・気が散りやすいため、物事に集中したり、注意を持続し続けることが苦手。
・自分の興味がある事や好きな事には、積極的に取り組むことができるが、集中し過ぎてしまう。
・物事を順序立てて進めることが難しい。
・ソワソワして手足を動かしたり、座っていてもゴソゴソ動いてしまう。
・片付けや整理整頓が苦手。
・衝動的な発言や行動をしてしまうことがある。
③ LD(学習障害)/ SLD(限局性学習障害)
LD /SLDは、知的発達の遅れや、聴覚・視覚機能に問題はありません。
単に国語や数学など勉強が苦手ということではなく、
「認知能力」や「聞いたり、見たりした物を処理する能力」に偏りがあり、
結果として「読む」「書く」「計算する」が極端に苦手として表れている障害です。
LD/SLDの特徴
学習障害には、
主に読字障害(ディスレクシア)、書字表出障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)
の3種類のタイプがあります。
◎ 読字障害(ディスレクシア):読むことが苦手
・文字や単語、文章を読むときにどこを読んでいるか分からなくなったり、読むスピードが遅かったりする。
・読んで意味を理解することが難しい。
・飛ばし読み、適当読みをするなど、文章をスムーズに読めず、読み方に特徴がある。
・「め」や「ぬ」、「ろ」や「る」など、形の似ている文字を見分けることが難しい。
・音声にするなど、耳からの情報は理解しやすい場合が多い。
◎ 書字表出障害(ディスグラフィア):書くことが苦手
・文字の形や大きさがバラバラになったり、マス目からはみ出したりする。
・鏡文字になる。
・書いてある文字を写すことが苦手。
・漢字をなかなか覚えられなかったり、覚えても忘れやすかったりする。
・ひらがなやカタカナでも間違えることが多い。
◎ 数学障害(ディスカリキュリア):算数、計算が苦手
・数を数えることが苦手だったり、九九がなかなか覚えられない。
・数の大きい、小さいがよく分からなかったりする。
・繰り上げ、繰り下げが苦手。
・文章問題、図形やグラフが苦手で理解することが難しい。
・時計が読めなかったり、時間が分からなかったりする。
④ DCD(発達性協調運動障害)
DCDは、身体機能に問題がないにも関わらず、不器用さや身のこなしの不自然さが見られる障害です。
DCDの特徴
・身体を動かすことが苦手で、特に野球やサッカーなどの球技は特に苦手。
・身体の動きが滑らかではなくカクカクしており、階段の登り降りがぎこちないなど指摘を受けることがある。
・手先が不器用で、ボタンを留めたり、靴紐を結ぶなど、細かな作業が苦手。
・ハサミや箸を使うことも苦手。